○豊丘村環境保全条例
平成25年3月21日
条例第13号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 基本的施策等(第7条―第15条)
第3章 生活環境の保全(第16条―第31条)
第4章 公害の防止(第32条―第44条)
第5章 豊丘村環境保全審議会(第45条)
第6章 雑則(第46条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、天竜川の河岸段丘のもたらす肥沃な大地と豊かな自然環境の恵みの中にある本村が、「緑と清流をこよなく愛する村」として、産業の振興と環境の調和を図り、良好な環境を将来の世代に引き継ぐため、村、村民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策を総合的に推進し、現在及び将来の村民の健康及び良好な生活環境の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 公害とは、事業活動及び人の活動に伴って発生する生活環境の侵害であって、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、悪臭及び地盤の沈下等によって人の生命若しくは健康が損なわれ、又は快適な生活が阻害されることをいう。
(3) 村民とは、村内に住所を有する者、村内に存する事業所等に勤務する者及び村内に一時的に滞在又は通過する者をいう。
(4) 事業者等とは、村内において、事業活動を行う者をいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は、すべての村民が、健康で文化的な生活を営む上で必要とされる、豊かな環境の恵みを受ける権利があり、かつ、その環境を将来の村民に引き継いでいく責任があることを理解した上で、積極的に行うものとする。
2 環境の保全は、人間が自然から多くの恵みを受けていることを認識して、生態系の均衡及び生物の多様性の確保に配慮し、自然と人とが共に生きていくことを目的として行うものとする。
3 環境の保全は、環境資源及び環境の価値が有限であることを認識して、資源やエネルギーの合理的かつ再生可能な利用等により、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築することを目的として行うものとする。
4 環境の保全は、地域の環境が地球環境と深く係っていることから、すべての事業活動や日常生活において、地球環境の保全に役立つよう行うものとする。
(村の責務)
第4条 村は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施しなければならない。
2 村は、自らその社会経済活動に際して、環境の保全に役立つ取組みを率先して実行するとともに、村民及び事業者等の環境の保全に関する施策に役立つ取組みを支援しなければならない。
(村民の責務)
第5条 村民は、基本理念にのっとり、日常生活において資源・エネルギーの節約、廃棄物の排出抑制等により、生活環境を快適に保持するよう努めなければならない。
2 村民は、環境の保全に自ら努めるとともに、村が実施する環境の保全に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者等の責務)
第6条 事業者等は、その事業活動を行うに当たっては、事業活動に伴って生ずる公害を防止し、自然環境を適正に保全しなければならない。
(1) 事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄される段階において、廃棄物の減量等環境への負荷の低減を図ること
(2) 再生資源、その他環境への負荷の低減に資する原材料及び役務等を利用すること
3 事業者等は、前2項に定めるもののほか、その事業活動に関し、環境の保全に自ら努めるとともに、村が実施する環境の保全に関する施策に協力するように努めなければならない。
第2章 基本的施策等
(施策の基本方針)
第7条 村は、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、次に掲げる基本方針に基づき、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
(1) 公害がなく、健康を保護し、村民が安心して居住できる生活環境を保全すること
(2) 豊かな自然環境を保全するとともに資源を大切にし、その有効利用等を促すことにより、環境への負荷を低減させること
(3) 生態系の多様性の確保を図るとともに、潤いと安らぎのある自然と人との共生を確保すること
(4) 自然環境と一体となっている美しい景観や地域の歴史、文化の特性等を生かし、快適な生活環境を創ること
(5) 環境問題に対する村民等の自主的な学習等を啓発し、環境の保全に関する施策への村民の積極的な参加と実践活動を促すこと
(6) 再生可能エネルギーの積極的な利用を促すこと
(環境基本計画)
第8条 村長は、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に進めるため、環境基本計画を定め公表しなければならない。
2 環境基本計画には、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 環境の保全に関する総合的かつ長期的な目標及び指針
(2) 環境の保全に関する施策
(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全に関する必要な事項
(環境基準)
第9条 村長は、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な環境基準を規則で定める。
2 前項に定めるもののほか、村長は、国・県の規制措置を村民及び事業者等が遵守することに関し必要な指導に努めるものとする。
(環境基準の遵守)
第10条 何人も、前条に定める環境基準を遵守しなければならない。
(財政上の措置)
第11条 村長は、環境の保全に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならない。
(経済的措置)
第12条 村長は、村民又は事業者等が自ら環境への負荷の低減のために施設の整備その他の適切な処理をするよう誘導するため、助成その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(環境教育及び環境学習の推進)
第13条 村長は、村民又は事業者等の環境の保全についての関心と理解が深められるよう、環境教育及び環境学習の推進に努めなければならない。
(村民等の自発的な活動の推進)
第14条 村長は、村民、事業者等及び関係団体が自発的に行う環境美化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。
(良好な景観の形成)
第15条 村長は、豊かな自然と環境を確保するため、美しい緑地及び農地の保全、歴史的文化施設の保全並びに活用その他の良好な景観の形成に関し必要な措置を講ずるものとする。
第3章 生活環境の保全
(燃焼不適物の焼却禁止)
第16条 何人も、焼却に伴い、著しいばい煙、悪臭及び有毒ガス等を発するおそれのあるものを焼却してはならない。
(埋立ての抑制及び土壌汚染の防止)
第17条 何人も、土壌汚染を防止するために、汚染原因となる物質を埋立て及び投棄してはならない。
(ごみ、廃棄物投棄の禁止)
第18条 何人も、ごみや廃棄物を投棄してはならない。
(水質汚濁の防止及び地下水等の保全)
第19条 何人も、地下水、表流水及び湧水を枯渇させ、又は汚濁してはならない。また、排水に当たっては適切な排水処理に努めなければならない。
(騒音の防止)
第20条 何人も、近隣の静穏を害するような騒音を発生させないよう努めなければならない。
(大気の汚染防止)
第21条 何人も、大気汚染防止のため汚染原因となる物質を大気中に放出しないよう努めなければならない。
(振動の防止)
第22条 何人も、近隣の静穏を害するような振動を発生させないよう努めなければならない
(車両放置の禁止)
第23条 何人も、景観保全のため村内で正当な理由なく車両を放置し、又は放置させてはならない。
(自然の保護、保全)
第24条 何人も、動植物の生態系を保護、保全し、自然のもつ浄化循環作用を阻害しないよう努めなければならない。
(森林の保全と緑化)
第25条 何人も、生命の源である水資源を確保し、かつ、大気の浄化作用を高めるため、森林の保全と緑化に努めなければならない。
(農用地の肥培管理)
第26条 何人も、村内で施肥をし、又は農薬を散布する場合は、土壌汚染及び地下水汚染を防止し、村民の健康や生活環境を損なうことのないよう、適正な管理に努めなければならない。
(土地の埋立て等)
第27条 何人も、土地の埋立て、盛土、堆積行為及び掘削によって土壌汚染及び災害が発生しないよう努めなければならない。
(悪臭の防止)
第28条 何人も、日常生活における行為又は事業活動に伴い悪臭を発生し、周辺地域における住民の生活環境が損なわれることのないように努めなければならない。
(家畜排せつ物等の適正管理)
第29条 何人も、家畜を飼養する場合は、家畜排せつ物が悪臭の発生要因となったり、河川や地下水へ流出して水質汚染を招くことがないよう、適正な管理に努めなければならない。
(屋外堆積)
第30条 何人も、景観保全及び土壌汚染防止等のため村内において、みだりに使用済物品を堆積しないよう努めなければならない。
(飼い主の責務)
第31条 何人も、動物を飼養する場合は、周辺の生活環境が損なわれないよう、飼養する動物の生態、習性及び生理を理解して、適正な管理に努めなければならない。
第4章 公害の防止
(特定事業の届出)
第32条 公害を防止し、良好な環境を保全するため、県知事に届出の義務を有する事業を除く規則で定める事業(以下「特定事業」という。)を行おうとする者は、あらかじめ次の各号に掲げる事項を記載した書類により村長に届け出て、環境保全施設について確認を受けた後でなければ、当該施設について工事着手してはならない。
(1) 事業所の名称、所在地及び代表者の氏名
(2) 事業の種類及び規模
(3) 環境保全施設の構造、又は処理の方法
(4) その他村長が必要と認める事項
3 村長は、前2項の届出を受理したときは、すみやかに確認を行うものとする。
(特定事業の実施の制限)
第33条 前条の規定による確認を受けた者が、当該確認事項について工事を完了したときは、村長に届け出て検査を受けた後でなければ事業を開始してはならない。
2 前項の検査は、当該届出を受理した日から起算して7日以内に行わなければならない。
(事業計画の提出等)
第34条 村長は、事業者等に対して、県知事に届出の義務を有する事業であっても、当該地域に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、あらかじめ当該事業に係る計画書等の提出及び事前説明、協議等求めるものとする。
2 前項の規定による立入調査の権限は、犯罪調査のために認められたものと解釈してはならない。
(公害防止協定等の締結)
第36条 村長は、事業者等がその事業活動に伴って公害が発生するおそれがあると認められるときは、事業者等と公害の防止に関する協定について協議し、その締結に努めなければならない。
2 村長は、第15条に定める良好な景観を保持するため、必要がある場合は村民及び事業者等と景観保全協定を結ぶことができる。
(情報提供)
第37条 何人も、この条例に定める環境基準に適合しないもの、及び公害の発生するおそれのあるものを発見したときは、速やかに村長に通報するよう努めなければならない。
(苦情の処理等)
第38条 環境の保全に関する苦情又は紛争が生じたとき、当事者は村長に対してその苦情又は紛争処理に係る和解の斡旋を申し出ることができる。
2 村長は、前項の規定による申出があったときは、速やかに実情を調査し、その苦情又は紛争について適正に解決するよう努めなければならない。
(監視パトロール等)
第39条 村長は、村民の生活環境を保全するため、環境基準が遵守されるよう、啓発活動や定期的な監視パトロールを実施するものとする。
(報告の聴取及び立入検査)
第40条 村長は、情報提供、苦情、監視パトロールに基づき、必要がある場合は村民及び事業者等に報告を求め又は職員をして事業所その他の場所に立ち入り、施設その他の物件等を検査させることができる。
2 前項の規定により、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携行し、必要なときは関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪調査のために認められたものと解釈してはならない。
(勧告)
第41条 村長は、第33条の検査の結果、当該事業活動により公害が発生するおそれがあると認めるときは、その者に対し施設の構造又は処理方法の改善その他公害防止について期限を定めて必要な措置を行うよう勧告することができる。
2 村長は、事業活動により公害が発生したとき、又は前条第1項に基づく立入検査の結果、この条例で定める環境基準に適合しないと認めたときは、当該者に対し、施設の構造又は処理方法の改善その他公害防止について期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告できる。
3 前2項の勧告を受けた者が、当該勧告に係る必要な措置を行ったときは、速やかに村長に届け出て検査を受けなければならない。
(措置命令)
第42条 村長は、前条の規定により勧告を受けた者が定められた期限内に当該勧告に係る措置を行わないときは、期限を定めて当該措置を行うべきことを命令することができる。
2 前項の命令を受けた者が、当該命令に係る必要な措置を行ったときは、すみやかに村長に届け出て検査を受けなければならない。
(罰則)
第43条 前条第1項の規定による命令に違反した者は、10万円以下の罰金に処する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(3) 第40条第1項の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をした者又は立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
(4) 前条第2項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第5章 豊丘村環境保全審議会
(豊丘村環境保全審議会)
第45条 豊丘村執行機関の附属機関の設置等に関する条例(令和2年豊丘村条例第27号)の定めるところにより、豊丘村環境保全審議会を設置する。
第6章 雑則
(委任)
第46条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
(豊丘村環境をよくする条例の廃止)
2 豊丘村環境をよくする条例(昭和49年豊丘村条例第14号。以下「旧条例」という。)は廃止する。
(経過措置)
3 この条例の施行の際、旧条例に基づく環境保全対策委員会委員に委嘱されている者は、この条例の規定に基づく審議会委員として引き続き在任するものとし、その任期は旧条例の規定に基づく残任期間とする。
附則(令和2年12月18日条例第28号)
この条例は、令和3年4月1日から施行する。