○豊丘村監査基準

令和2年3月31日

監査委員訓令第1号

第1章 総則

(目的)

第1条 この基準は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号。以下「公企法」という。)並びに地方財政健全化法(以下「健全化法」という。)の規程に基づいて監査委員が行う監査、検査及び審査(以下「監査等」という。)の実施に関し、必要な事項を定めるとともに、議会及び村長若しくは関係する行政委員会等(以下「村長等」という。)との関係を明確にすることを目的とする。

第1節 一般基準

(基本方針)

第2条 監査委員は、公正で合理的かつ能率的な村の行政運営確保(以下「公正」という。)のため、違法、不当の指摘にとどまらず、指導に重点を置いて監査等を実施し、もって村行財政の適法性、効率性、有用性の増進に努めるものとする。

(監査委員の使命)

第3条 監査委員は、法令により定められた権限に基づいて、村の財政に関する事務の執行及び村の経営に係る事業の管理又は村の事務若しくは法定受託事務(地方自治法施行令第140条の5に定める事務を除く。)の執行(以下「事務事業の執行」という。)について監査等を実施し、その結果に関する報告を決定し、これを議会及び村長等に提出し、公表することなどにより、民主的かつ効率的な行財政の執行に資し、もって住民の福祉の増進と地方自治の本旨の実現に寄与しなければならない。

(監査委員の責務)

第4条 監査委員は、村の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有し、その職務を遂行するに当たっては、常に公正不偏の態度を保持して、監査等を実施しなければならない。

2 監査委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

3 監査委員は、適切な監査計画に基づいて、監査委員の事務を補助する職員(以下「事務補助職員」という。)に対して必要な指示をしなければならない。

(事務補助職員の心得)

第5条 事務補助職員は、職務の遂行に当たっては、特に、次の各号に掲げる事項に留意しなければならない。

(1) 職責の重大性に鑑み、常に研修に心がけ、法令、条例、規則等(以下「法令等」という。)に精通するとともに、絶えず村政の現状に関心を持ち、監査等の参考となるような資料の収集に努める。

(2) 監査等の実施に当たっては、監査委員の監査方針に従い、監査対象についてあらかじめ十分研究する。

(3) 監査等の実施に当たっては、常に公平謙虚な心構えを持ち、能率的に実施すること。また、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様である。

(4) 監査等の進捗状況は、絶えず上司に報告し、重要事項その他疑義のある事項については、その都度指示を受ける。

(5) 監査委員は、監査計画、監査等の内容、判断の過程、証拠及び結果その他必要と認める事項を監査調書等として作成し、事務局が保存管理する。

第2節 実施基準

(実施の基本方針)

第6条 監査等の実施に当たっては、事務事業の執行が法令及び議決並びに予算等に基づいて行われているかに留意し、積極的かつ指導的に実施しなければならない。

(計画的な監査等の実施)

第7条 監査等を効率的かつ効果的に実施するため、年間監査計画を策定するとともに、適切な実施計画を作成し、これに基づいて秩序整然と、適時に実施しなければならない。

(監査等の調整)

第8条 監査等の計画の策定及び実施等に当たっては、個々の監査等に有機的な関連を持たせ、総合して成果が上がるように調整運用しなければならない。

(監査等の実施手続きの運用基準)

第9条 監査等の実施手続きの適用は、監査等の種類、対象、目的、管理点検体制及び内部監査の信頼性の程度を勘案して、試査又は精査による。試査による場合はその範囲を合理的に決定しなければならない。

(合理的証拠確保の基準)

第10条 監査委員は、監査項目の重要性、相対的危険性その他の諸要素を十分考慮して、合理的な証拠を入手するまで監査等を実施しなければならない。

第3節 報告基準

(報告・意見書の提出)

第11条 監査委員は、財務監査、行政監査及び財政援助団体等監査に係る監査の結果を作成し、議会、村長及び関係のある委員会又は委員に提出するものとする。

2 監査委員は、前項の監査の結果に関する報告については、当該報告に添えてその意見を提出することができるとともに、当該報告のうち特に措置を講ずる必要があると認める事項については勧告することができる。

3 監査委員は、例月出納検査の結果に関する報告を作成し、村長に提出するものとする。

4 監査委員は、決算監査、基金運用監査、健全化判断比率等審査を終了したときは、意見を村長に提出するものとする。

(報告書等の作成)

第12条 報告書等には、監査委員の責任の範囲を明確にするために必要な項目を記載する。

2 監査等の結果は、簡潔明瞭かつ平易な文章で記述し、誤解を招く表現のないように留意しなければならない。

3 指摘事項については、合理的な基準に基づかなければならない。

(報告書等の提出以前の周知の禁止)

第13条 監査等の結果は、原則として、報告書等の提出以前に、村長等の関係者以外の者に知らせてはならない。

第2章 監査等の実施

第1節 監査等の種類

(監査)

第14条 監査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 定期監査(法第199条第4項の規定による監査)

毎会計年度少なくとも1回以上期日を定めて、次の事項について行うもの

 村の財務に関する事務の執行が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの

 村の経営に係る事業の管理が、合理的かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの

 必要に応じ、村の事務事業の執行に係る工事について、当該工事の設計、施工等が適正に行われているかどうか、また、建物等の維持管理が良好であるかどうかを主眼として実施するもの

(2) 随時監査(法第199条第5項の規定による監査)

必要があると認めるとき、定期監査に準じて実施するもの

(3) 行政監査(法第199条第2項の規定による監査)

必要があると認めるとき、村の事務又は法定受託事務(地方自治法施行令第140条の5に定める事務を除く。)の執行が、合理的かつ効率的に行われているか、法令等の定めるところに従って適正に行われているかどうかを主眼として適時に実施するもの

(4) 財政援助団体等に対する監査(法第199条第7項の規定による監査)

財政援助を与えている団体、出資・支払保障団体、信託の受託者及び公の施設の指定管理者に対し、必要があると認めるとき、又は村長の要求に基づき、当該財政援助等に係る出納、経営成績と財政状況その他の事務の執行が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの

(5) 公金の収納又は支払事務に関する監査(法第235条の2第2項又は公企法第27条の2第1項の規定による監査)

指定金融機関等に対し、必要があると認めるとき、又は村長若しくは公営企業管理者の要求に基づき、公金の収納又は支払の事務が、法令等の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施するもの

(6) 住民の直接請求に基づく監査(法第75条の規定による監査)

請求に係る事務の執行について実施するもの

(7) 議会の要求に基づく監査(法第98条第2項の規定による監査)

要求に係る事務について実施するもの

(8) 請願の措置としての監査(法第125条の規定に関する監査)

議会が採択した請願のうち、監査委員において監査することにより措置することが適当と認められたものについて実施するもの

(9) 村長の要求に基づく監査(法第199条第6項の規定による監査)

要求に係る事務の執行について実施するもの

(10) 住民監査請求に基づく監査(法第242条の規定による監査)

請求の内容について実施するもの

(11) 村長又は公営企業管理者の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査(法第243条の2第3項又は公企法第34条の規定による監査)

要求に係る事実の有無等について実施するもの

(12) 共同設置機関の監査(法第252条の11第4項の規定による監査)

共同設置機関の行う関係普通地方公共団体の財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理について、規約で定める普通地方公共団体の監査委員が実施するもの

(13) 財政健全化計画等に対する長の要求による監査(健全化法第26条1項)

財政健全化計画、財政再生計画又は経営健全化計画を定めなければならない地方公共団体の長は、これらの計画を定めるに当たっては、あらかじめ、当該地方公共団体の財政の健全化のために改善が必要と認められる事務の執行について、監査委員に対し、地方自治法第199条第6項の監査の要求をしなければならない。

(検査)

第15条 検査の種類は、次に掲げるとおりとする。

例月現金出納検査(法第235条の2第1項の規定による検査)

会計管理者及び公営企業管理者の保管する現金(歳計現金、歳入歳出現金、一時借入金、基金に属する現金及び預り金を含む。以下同じ。)の在高及び出納関係諸表等の計数の正確性を検証する。現金の出納事務が適正に行われているか検査を実施するとともに組織運営や事業管理についても、適正かつ効率的に行われているか検査を実施する。

(審査)

第16条 審査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 決算審査(法第233条第2項又は公企法第30条第2項の規定による審査)

決算その他関係諸表等の計数の正確性を検証するとともに、予算の執行又は事業の経営が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの。

(2) 基金の運用状況審査(法第241条第5項の規定による審査)

基金の運用状況を示す書類の計数の正確性を検証するとともに、基金の運用が、確実かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの。

(3) 普通会計の財政健全化審査(健全化法第3条第1項)

健全化判断比率並びにその算定の基礎となる事項を記載した書類を審査するもの

(4) 公営企業会計の経営健全化審査(健全化法第22条第1項)

資金不足率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類を審査するもの。

(報告の徴取)

第17条 監査委員は、地方自治法施行令第168条の4第3項又は地方公営企業法施行令第22条の5第3項の規定により、指定金融機関等に対する検査の結果について、会計管理者又は公営企業管理者に対して報告を求めるものとする。

第2節 監査等の事前準備

(監査計画の作成)

第18条 年間監査計画は、次の各号に掲げる事項について定める。

(1) 年間における実施予定の監査等の種類及び対象

(2) 監査等の対象別実施予定時期及び監査等の実施担当課名

(3) その他監査等の実施に関し必要と認める事項

2 実施計画は、監査等の種類別に次の各号に掲げる事項について定める。

(1) 監査等の種類

(2) 監査等の対象事務等

(3) 監査等の対象期間

(4) 監査等の基本方針

(5) 監査等の実施場所及び日程

(6) 監査等の項目及び着眼点

(7) その他監査等の実施上必要と認める事項

(事前通知)

第19条 監査等を実施するに当たっては、特別の場合を除き、村長等に対し、監査等の種類、期日、場所等をあらかじめ通知する。

(資料要求等)

第20条 監査等を実施するに当たっては、あらかじめ監査等に必要な資料を提出させ、必要に応じて事務事業の概況について説明を求める。

(監査等の着眼点)

第21条 第18条第2項の規定に基づく実施計画において定める監査等の着眼点は、別項に定める監査等の着眼点のうちから適宜選択するものとする。ただし、監査等の対象により、必要に応じて、その都度着眼点を追加して定めるものとする。

第3節 監査等の実施手続

(監査等の実施手続の選択適用)

第22条 監査等は、契約書、関係諸帳簿、証拠書類等に対して、照合、実査、立会、確認、質問、分析、比較等の監査技術を選択適用し、通常実施すべき監査等の実施手続、及び必要と認めるその他の監査等の実施手続として、通査、比率吟味、調整、総合等の監査技術を選択適用し実施する。

第3章 監査等の結果

(報告書の提出及び公表)

第23条 監査又は検査を終了したときは、結果に関する報告を次の各号により提出及び公表しなければならない。

(1) 第14条第1号から第5号まで並びに第15条については、議会及び村長等

(2) 第14条第6号については、議会、村長等及び請求人の代表者

(3) 第14条第7号及び第9号については、要求のあった議会又は村長

(4) 第14条第10号については、請求人

(5) 第14条第11号については、村長又は公営企業管理者

(6) 第14条第12号については、関係地方公共団体の長

2 事務の監査に係る個別外部監査について、外部監査人から監査の結果報告があったときは、請求人の代表者に送付しなければならない。

3 住民監査請求に係る個別外部監査について、外部監査人から監査の結果報告があったときは、請求に理由があるかどうかを決定のうえ請求人に通知しなければならない。

(意見書の提出)

第24条 決算審査及び基金の運用状況審査並びに財政健全化審査、経営健全化審査を終了したときは、審査意見書を村長に提出しなければならない。

2 職員の賠償責任に関する監査の結果において、村長又は公営企業管理者から賠償責任の免除について意見を求められたときは、意見書を提出しなければならない。

3 監査(第14条第5号第6号第8号第10号から第13号までの監査を除く。)の結果に基づいて必要があると認めるときは、監査の結果に関する報告に添えて、意見書を提出することができる。

(勧告)

第25条 住民監査請求に基づく監査の結果、請求に理由があると認めるときは、議会又は村長等に期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、これを請求人に通知し、かつ公表しなければならない。

(報告等の決定)

第26条 報告等の決定のうち、次の各号に掲げるものは、監査委員の合議による。

(1) 第14条第1号から第4号まで、第6号第7号第9号第10号及び第11号までに定める監査結果

(2) 第16条に定める審査意見

(3) 住民監査請求に係る個別外部監査について請求に理由があるかどうかの決定及び勧告

(報告等の公表)

第27条 報告等のうち、第14条第1号から第4号まで、第6号第7号第9号第10号及び第12号に定める監査については、速やかに公表しなければならない。公表は、村広告式条例(昭和35年豊丘村条例第10号)の定めるところによる。

(報告書等の記載事項)

第28条 監査報告書、検査報告書及び審査意見書には、おおむね次の各号に掲げる事項を簡潔明瞭に記載する。

(1) 報告等の提出日付

(2) 監査等を実施した監査委員名

(3) 監査等の種類

(4) 監査等の概要

 監査等の実施期間

 監査等の対象とした課等名(財政援助団体等にあっては団体名)

 監査等の対象とした事項及び範囲

 その他監査等の目的又は着眼点

(5) 監査等の結果

 監査等による事務の執行、事業の管理状況等についての意見

 指摘事項

(監査等の結果報告後の処置)

第29条 監査等の結果、指摘した事項又は表明した意見等については、村長等から適時措置状況報告を求めるものとする。

この基準は、令和2年4月1日から施行する。

豊丘村監査基準

令和2年3月31日 監査委員訓令第1号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第2類 議会・選挙・監査/第3章
沿革情報
令和2年3月31日 監査委員訓令第1号