○豊丘村太陽光発電設備の設置等に関する条例
令和5年3月20日
条例第1号
(目的)
第1条 この条例は、太陽光発電設備の設置が防災上及び自然環境等に及ぼす影響に鑑み、その適正な設置及び管理について必要な事項を定めることにより、太陽光発電事業と地域の共生及び良好な自然環境、景観等の保全を実現し、村民の生命及び財産を保護することを目的とする。
(1) 太陽光発電設備 太陽光を電気に変換する設備及びその附帯設備(送電に係る電柱等を除く。)をいう。
(2) 事業者 太陽光発電設備を設置(増設を含む。)する者又は設置する太陽光発電設備の管理を行う者をいう。
(3) 事業区域 事業者が太陽光発電設備(発電施設に附帯する施設を含む。)を設置し、太陽光発電事業を行う区域をいう。
(4) 周辺住民 事業区域の境界から50メートル以内の土地又は建物を所有、占有又は管理する者をいう。
(5) 区等 事業区域が属する区又は自治会をいう。
(対象地域)
第3条 この条例の対象地域は、村内全域とする。
(対象事業)
第4条 この条例の規定は、事業区域の面積が300平方メートル以上、かつ、太陽光発電設備の出力が10キロワット以上の太陽光発電事業に適用する。
2 前項の適用範囲には、同時期又は近接した時期に、実質的に同一と認められる設置事業者及び区域において、発電事業が一体的になされるものと村長が認める場合であって、合算した発電出力が10キロワット以上となるものを含むものとする。
3 前2項の規定にかかわらず、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根又は屋上に設置する太陽発電設備については、この条例を適用しない。
(村の責務)
第5条 村は、村内における太陽光発電設備の状況を把握するよう努め、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。
(村民等の責務)
第6条 村民は、自らが居住する地域の環境保全及び災害防止のため、村が実施する太陽光発電設備の適正な管理に関する施策に協力するよう努めなければならない。
2 土地の所有者、占有者又は管理者は、災害の発生を助長し、又は良好な景観若しくは生活環境を損なうおそれのある事業者に対して、当該土地を使用させることのないよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第7条 事業者は、事業の実施にあたり、この条例を含む関係法令を遵守し、太陽光発電施設周辺環境の保全及び災害防止のため、必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、事業の実施に要する維持管理経費及び設備撤去費用その他の廃止の際に要する資金を確保しなければならない。
(禁止区域)
第8条 次に掲げる区域には、太陽光発電設備を設置してはならない。
(1) 砂防法(明治30年法律第29条)第2条の規定により指定された土地の区域
(2) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項の地すべり防止区域及びこれに準ずる区域
(3) 急傾斜地の崩落による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の急傾斜地崩壊危険区域及びこれに準ずる区域
(4) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項の土砂災害特別警戒区域及びこれに準ずる区域
(抑制区域)
第9条 村長は、災害の防止及び良好な自然環境、景観等の保全のため、特に配慮が必要と認められる区域を、太陽光発電設備設置事業を行わないよう協力を求める抑制区域として指定するものとする。
2 前項の規定による抑制区域は、次のとおりとする。
(1) 森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項の規定により指定された保安林の区域
(2) 農地法(昭和27年法律第229号)第4条第6項第1号イにより規定する農用地区域及び同号ロに規定する農地の区域
(3) 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第28条第1項の規定により指定された鳥獣保護区の区域
(4) 河川法(昭和39年法律第167号)第6条第1項の規定により指定された河川の区域
(5) その他規則で定める区域
(促進区域)
第10条 村長は、規則で定める区域を太陽光発電設備促進区域として指定することができる。
(事前協議)
第11条 事業者は、第15条に規定する申請をしようとするときは、事業に関する計画について村長と協議しなければならない。
2 村長は、第1項の規定による協議が終了したときは、事業者に当該協議が終了した旨を通知するものとする。
(説明会の開始)
第12条 事業者は、前条第2項の規定による通知を受けた後、速やかに周辺住民及び区等に対して規則で定める事項に関する説明会を開催しなければならない。
2 事業者は、周辺住民及び区等の理解が得られるよう丁寧な説明に努めなければならない。
3 前2項の規定は、事業内容を変更した場合について準用する。ただし、事業内容の変更が軽微で村長が説明会の開催を要しないと認めたときは、この限りでない。
(周辺住民及び区等による意見の申出及び協議)
第13条 周辺住民及び区等は、前条の規定による説明会を開催した事業者に対し、事業に関する計画について意見を申し出ることができる。
2 事業者は、前項の規定による意見の申出があったときは、規則で定めるところにより、当該申出をした周辺住民又は区等と協議しなければならない。ただし、協議を行うことが困難であると村長が特に認めるときは、この限りでない。
3 事業者は、前項の規定により協議を行ったときは、その内容及びその内容に対する措置を村長に報告しなければならない。
第14条 区等は、当該事業の実施にあたり、災害の防止、良好な景観及び生活環境の保全に関する必要な事項について、事業者に協定の締結を求めることができる。
(許可申請)
第15条 事業者は、第11条第2項の規定による通知を受けて事業を実施しようとするときは、事業計画書その他規則に定める書類を添え、村長に申請し、その許可を受けなければならない。
(許可基準等)
第16条 村長は、前条の規定による申請があったときは、当該申請に係る事業が規則に定める事項に該当すると認めるときでなければ、設置許可をしてはならない。
2 村長は、前条の許可申請をした者又は当該申請に係る工事施工者が規則に定める事項に該当するときは、設置許可をしないことができる。
4 審議会の組織、運営その他の審議会に関し必要な事項は、規則で定める。
5 村長は、前条の許可申請に対して、許可の決定又は許可をしない決定をしたときは、その旨を事業者に通知するものとする。
(事業の着手)
第17条 前条第5項の規定により許可を決定する通知を受領した事業者(以下「許可事業者」という。)が、事業に着手しようとするときは、規則で定めるところにより、村長に届け出なければならない。
(事業計画の変更等)
第18条 許可事業者は、許可を受けた事業計画の内容を変更しようとするときは、当該変更に伴い生じる工事に着手する前に、規則で定めるところにより、その旨を村長に申請し、許可を得なければならない。ただし、規則に定める軽微な変更については、この限りでない。
2 許可事業者は、許可を受けた事業を中止する場合は、村長に届け出なければならない。
(完了確認及び検査等)
第19条 許可事業者は、許可を受けた事業にかかる工事(附帯工事を含む。)が完了したときは、規則に定めるところにより、村長に届け出なければならない。
第20条 許可事業者は、許可を受けた事業内容に適合しているかどうかについて、村長の検査を受けなければならない。
2 村長は、前項の検査の結果、許可した事業内容に適合していると認めたときは、規則に定めるところにより、その旨を許可事業者に通知するものとする。
3 許可事業者は、前項の通知を受ける前に当該許可に係る事業の施設を稼働させて、電気を供給してはならない。
(事業の承継)
第22条 許可事業者から相続、売買、合併又は分割によりその事業を承継した者は、規則で定めるところにより、村長へ届け出なければならない。
2 前項の事業を承継した者は、承継を受ける前の許可事業者に付された一切の許可条件も承継するものとする。
(報告徴収及び立入調査)
第23条 村長は、この条例の施行に必要な限度において、許可事業者に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又は許可事業者の同意を得て、関係職員を事業区域に立ち入らせて必要な調査をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。
(指導、助言及び勧告)
第24条 村長は、必要があると認めるときは、許可事業者に対して、必要な措置を講ずるよう指導又は助言を行うことができる。
2 村長は、許可事業者が事業計画書に従って事業を実施していないと認めるときは、許可事業者に対し、期限を定めて必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
(廃止に係る届出)
第25条 許可事業者は、許可を受けた事業を廃止しようとするときは、規則に定めるところにより、村長に届け出なければならない。
(異常発生時等の対応)
第27条 許可事業者は、当該事業の実施に起因し、周辺環境への被害が発生した場合又は異常が生じた場合は、速やかに村その他関係機関と協議し、誠意をもって復旧を行わなければならない。
(防災等への措置)
第28条 許可事業者は、当該事業の実施により周辺地域にがけ崩れ、出水又は土砂の流出による災害が生じないよう擁壁その他の土留施設等の設置等、安全上必要な措置を講じなければならない。
(生活環境の保全措置)
第29条 許可事業者は、当該事業を実施するにあたり、運行する自動車等による近隣住民に対する生活妨害を防止する等、生活環境の保全に必要な措置を講じなければならない。
(国又は県への通知)
第30条 村長は、第24条第2項の規定による勧告を行った場合は、その内容及び事実を国又は県へ通知することができる。
(公表)
第31条 村長は、第24条第2項に規定する勧告を受けた許可事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨及び勧告に従わない許可事業者の名称を公表することができる。
(補則)
第32条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例は、この条例の施行の日以後において着手する事業から適用する。
(豊丘村の自然環境と開発行為との調和に関する条例の廃止)
3 豊丘村の自然環境と開発行為との調和に関する条例(平成28年豊丘村条例第17号)は廃止する。