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豊丘中学校 岩石園 3


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6.地質の説明

中央構造線

 中央構造線は日本で一番大きい断層である。この中央構造線が、大鹿村から南信濃村へかけて走っており、その部分が直線状の谷となっている。中央構造線は、諏訪湖付近からはじまり、その続きは、四国から九州へとつながっている。中央構造線に沿い有名な圧砕岩…鹿塩片麻岩という呼名で知られている…が分布している。この岩石は断層ができるときの強い力を受けて生じた変成岩である。



西南日本内帯

 中央構造線より西側の地域は西南日本内帯と呼ばれる。下伊那では伊那山脈、天竜川、木曽山脈の地域が内帯にはいる。内帯の部分には花こう岩が広く分布している。花こう岩と共に変成岩もあちらこちらに見える。内帯では中央構造線に近い部分に花こう岩がおおく、この地域を特に領家帯と呼んでいる。伊那山脈から木曽山脈にかけて、圧倒的に花こう岩が多く、さまざまな花こう岩が分布するのはこのためである。領家帯にみられる変成岩は、主にホルンヘルスで、黒雲母が非常に目だっている。伊那山脈の部分のホルンヘルスは黒雲母などの結晶が大きくなり、見かけは花こう岩と似てきて、片麻岩と呼ばれるものがおおい、これらのホルンヘルス-片麻岩などを領家変成岩-または領家片麻岩-と呼んでいる。

富士見台から恵那山にかけて、特別な岩石が分布している。これは濃飛火砕岩類とか、濃飛流紋岩類とか呼ばれている、この岩石は領家帯の花こう岩類が貴入してきたときとほぼ同じような性質のマグマが激しい火山活動となって地表に噴出して堆積した凝灰岩を主としている。
根羽村や阿南町など、郡の南部に第三紀の地層や火山岩が分布している。町を中心として富草層群と呼ばれる第三紀層が豊富な化石を件って分布する。

根羽村、池ノ平や茶臼山周辺には、安山岩ー玄武岩などの火山岩が分布する。



西南日本外帯

 中央構造線より東側の地域、つまり大鹿村、上村、南信濃村など、赤石山地は、西南日本外帯に入る。外帯と呼ばれる地域は、中央構造線より太平洋側の地域全体をさし、赤石山脈から紀伊山脈、四国山脈、九州山脈と連続しており、これらの地域に同じ時代の地層が連続しており、これらの地域に同じ時代の地層が連続して分布している。

 分布の仕方が、非常に規則正しい。中央構造線と接する部分を三波川帯と呼び結晶片岩類蛇紋岩など超塩基性岩類がみられる。

三波川帯のはしには、戸台構造線と呼ばれる断層線を境にして秩父帯が分布する

 これは一般に秩父中・古生層といわれる地層が分布するが、三波川帯と同じような変成作用を受け、千巻岩などが多い。秩父帯の端は 仏像構造線と呼ぶ著しい断層が走っており、この断層より太平洋側には中生層~第3紀層の地層が重なっている。

 だから仏像線という断層線は、古い日本と新しい日本とを分けている。大変重要な境界線である。

 仏像線より東側を四万十帯の中生層からできている。この堆積岩も変成作用をうけ一部は千枚岩となっている。赤石山脈の一部には、中生層の中へ新第三紀の花こう岩が貫入している。駒ヶ岳周辺にその花こう岩がある。従ってその花こう岩の周辺の中生層は、熱変成をうけ、ホルンフェルスとなっている。以下のように外帯の部分は、三波川帯、秩父側帯、四万十帯が構造線(大規模な断層線)を境にして規則正しく並んでおり、それが中央構造線と並行に配列しているところから帯状構造をしていると一般にいわれている。


下伊那の位置

 下伊那は日本の中央に位置し、フォッサマグナの西側にあるため西南日本に属する。さらに、中央構造線がとおっていて、内帯と外帯にまたがっている。内帯は領家変成帯の代表的発達地となっており、花こう岩と領家変成岩が基盤をつくっている。
 南部では第三紀の堆積岩・火山岩が、中央部天竜川沿いには河岸段丘扇状地の著しい発達による厚い礫層が基盤をおおっている。
 領家帯は中央構造線に沿って瀬戸内海地域まで延長している。赤石山脈と伊那山脈とを分ける中央構造線は、鹿塩片麻岩の名の示すとおり、中央構造線研究の発祥の地であり、代表的な模式地である。著しい断層線谷は西南日本を縦断して九州まで続いている。赤石山脈は西南日本外帯に特徴的な帯状構造が見事に配列しており、三波川帯・秩父帯(中・古生層・)四万十帯(中生層)が赤石から四国九州まで連続している。これら外帯山地は同じ地質のため地形・植生に共通性がみられ、起伏の大きい山地を形成している。

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