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議会第1回定例会開会(3月1日)

平成30年第1回定例議会

 令和3年議会第1回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様方におかれましては、何かとご多用のところ、ご出席をいただき、条例制定・改正並びに令和3年度当初予算案などの重要案件についてご審議いただききますことに対し、深く感謝申し上げますとともに、厚くお礼申し上げます。

 さて、昨年は第一次世界大戦中に広まったスペイン風邪以来の大規模な新型コロナウイルスのパンデミックに世界中が震撼させられ、現在では変異ウイルスの出現もあり、その猛威は世界的にとどまることを知りません。

我が国においても、2月17日にはワクチン接種が医療関係者から始まりました。本格的なワクチン接種がいつから順調に行えるか不透明な中で、場所や予約、接種方法などが課題となっています。4月からは高齢者へのワクチン接種が開始される摸様ですが、最近のニュースでも河野ワクチン接種担当大臣の言葉からは、6月中には高齢者向けのワクチンを各市町村に届けるとの説明までで、その後についての説明はありません。スムーズな入荷についてはかなり不透明な様子がうかがわれます。

 しかし今回、飯田の感染拡大をわずか1か月足らずでレベル5からレベル1まで引き下げた郡市民の協力は都市部とは違う団結を示しました。このことでワクチンが住民に行き届くまで、どう新型コロナ感染症に対処するかというモデルが示されたのではないでしょうか。

 来年の今頃には、新型コロナウイルス感染症もワクチンの成果や、特効薬の開発により普通の季節性インフルエンザ並みの疾患になって、通常の生活を取り戻している社会の実現を願うと共に、祈るばかりです。

そうなった時に、はたしてかつての様な世の中が復活するのでしょうか。コロナにより根づいた新しい生活様式の影響を受け、かなり今までとは違う仕事のスタイルや雇用の形態、また産業、レジャーの新様式への転換など、大きく変わるものと、ほとんど変わらない現業部門の産業など、またコロナ禍で顕在化してきたデジタルトランスフォーメーションへの国家的な転換の必要性の認識など、どちらにしても今回の新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界的な産業の形態の組み換えが起ころうとしていることは間違いありません。

 皆さんご存知のとおり、私たちが住むこの伊那谷にはリニア中央新幹線の開業が予定されています。現在、豊丘村内でも発生土置き場の建設中で、夏頃から本格的なトンネル工事が開始されます。また喬木村阿島橋上流の河川敷ではリニア新幹線の橋梁建設に向けて河川内の整備が始まっています。完成すれば東京から45分、名古屋から27分と言う時間距離を獲得します。そもそも災害に対しては恐ろしく脆弱な都市部がコロナで蹂躙され、不便な生活を強いられたことで、都市に暮らす必然性を問われた住民に、総務省が昨年6月に東京23区内で行ったアンケート調査に対して、35パーセントの人が移住に関心があると答えたそうです。さらには、今まで年間約13万人近い若者の転入があった東京都ですが、感染の拡大が大きな社会問題になって以来、月当たりの転出者が転入者を上回っています。

 コロナ禍の中、業種によってはリモートワークが進み、出社は週1回、月1回などと言う会社も現れています。大学などもリモートの授業が取り入れられています。その結果、かつてのように会社や大学と自宅が近くなければ、仕事にも学校にも行けないと言う時代とは、業種や学部にもよりますが、絶対条件ではなくなる可能性があります。

 まさに明治時代以降、仕事や学校を求めて日本中の田舎から若者が都市部に流入し、田舎が疲弊していくという長く続いた時代の趨勢が、かつての様な正当性と意味を失い、また世界のグローバル化の中でこそ世界市民が経済的に潤い、平和にも寄与すると考えられていた平成以降の時代の思想も、ICT技術の凄まじい発展の中で貧富の格差はもはや修復が不可能なくらいふくらんでしまい、富やデジタル化の恩恵を人々に平等に分配する仕組みやルールを誰がどう作り、新しい時代の安定を図るのかという瀬戸際に今、世界は立たされています。

 世界の先行きが不透明な今こそ、コロナ禍とリニア開業を機に、今までの価値観を克服して行くことができる高い可能性を飯田下伊那地域は秘めているのではないでしょうか。

 都会には無い自然や農地、それぞれが織りなす日本の原風景、リモートワークによる都市部からの転入、本社機能や研究機関の移転、自然環境を生かしたキャンプやサイクリング、登山やカヌーなどのアウトドアスポーツの隆盛、若い生産年齢人口の増加で可能となるショッピングやアミューズメントの充実によって面白くて、明るい、さらには活力もある地域づくりが可能となります。

 時代の流れを確実に捉え、リニア中央新幹線の開業、三遠南信自動車道の開通に加えて、新型コロナによるリモートワークやワーケーションの広がりによる働き方の変化に起因する居住環境をしっかりとこの地域に実現し、自然豊かで、住環境が整い、安全で元気で活力のある、日本一、暮らして楽しい南信州を議員各位、住民の皆様と共に作り上げて行かなくてはなりません。

 明日3月3日には YouTubeライブでオンラインシンポジウム「リニア時代を見据えた北部5町村の地域づくり」を、全国各地の新幹線駅及びその周辺の開発状況を分析されている青森大学の櫛引教授を、リモートではありますがお招きし、地元で活躍されている民間の方をパネリストに迎え開催します。

 また、新年度からは下伊那北部エリアの「リニア開業を見据えた地域づくり構想」策定のため、下伊那北部総合事務組合 事務局長として県から自治法派遣制度を使い、普通の研修派遣とは違う形で2年間派遣していただくことになりました。新しい体制の整備により新しい時代のデザインを官民一体となって描き始めるスタートを切ることができ、さらには新型コロナウイルス感染症の収束も見通せる明るい新年度となることを心から願います。



 さて、令和3年度の重点事業について申し上げます。

(1)豊丘スタイルの戦略的創造

① リニア開業を見据えた地域づくりの推進、下伊那北部のエリア地域づくり計画の策定〔総務課〕

② リニア開業を見据えた産業振興構想(豊丘まるごと6次産業の村づくり構想、小さな拠点整備構想等)の素案作成〔産業建設課〕

③ 道の駅「南信州とよおかマルシェ」を核とした地域振興の実践とレンタサイクル事業の推進〔産業建設課〕

 これにつきましては道の駅駐車場拡大と共に、コロナ禍での新生活様式への変化をにらみ、自然環境を生かしたアウトドアスポーツの隆盛に合わせてサイクリングの基地を設け、伊那谷の市町村と結ぶことにより新しい魅力を豊丘村から全国に向けて発信し、さらには竹を熱源に足湯を設置し、地域の景観を損ねている竹藪を整備しようとするものです。

④ 「人・農地プラン」の実質化及び実践〔産業建設課〕

⑤ 森林経営管理制度による森林整備の実践〔産業建設課〕



(2)地域の力で育み支えるふれあいのむら

① 定住対策の推進〔総務課〕

② 移住による新規就農者支援と空き家等住宅対策の推進〔産業建設課〕

③ CATV代替施設への移行開始 及び 防災・減災への取組み(防災アプリ導入・ソフト事業)〔総務課〕

 このことにつきましては、数年来の議論があったわけですが、目を見張るようなICT技術の発展に鑑み、もはや小さな自治体でのケーブルテレビの運営は将来的に不可能との結論に至りました。契約状況によっては、村民の皆様にご負担が生じることは覚悟の上で、順次、テレビの視聴環境を飯田ケーブルテレビなどの民間事業者が光回線を利用して提供しているサービスに移行していただきます。村の自主放送の関係については、飯田ケーブルテレビがNTTの光回線で提供している光キャストビジョンで視聴できる環境が整います。さらに、この移行に合わせて、スマートフォンとタブレットによる防災・行政システムも新しく構築します。

詳しくは住民説明会や専門の窓口で個別の相談をお受けいたします。

④ 災害時住民支え合いマップの取組み〔健康福祉課〕

⑤ 地域づくり・コミュニティ活動の推進〔総務課〕



(3)誰もが安心して健やかに暮らせる体制づくり

① 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施〔健康福祉課〕

② 地域包括ケアシステムの推進〔健康福祉課〕



(4)故郷を愛し輝く未来を拓く心豊かな人づくり

① 学校施設・設備の充実(新型コロナウイルス対策・ICT教育の推進)〔教育委員会事務局〕

② コミュニティスクール・みらい塾など地域学校協働活動の推進

〔教育委員会事務局〕

③ 公民館・社会教育・社会体育事業の充実〔教育委員会事務局〕

④ 子育て支援事業(相談援助体制、保育サービス)の充実

〔教育委員会子ども課〕

⑤ 保育園改修・修繕事業(保育環境の整備)〔教育委員会子ども課〕



(5)豊丘の原風景とやすらぎあふれる住環境の創出

① 社会資本整備総合交付金事業(村道佐原線)の早期完成〔産業建設課〕

② 令和2年7月豪雨災害の早期復旧と緊急自然災害防止対策事業(治山、道路、水路等)の推進

③ 竜神大橋の早期完成に向けた活動及び事業調整〔産業建設課〕

④ 村内街路灯LED化の推進〔総務課〕

⑤ 水道施設更新事業(河野地区)〔環境課〕

⑥ 水道水 おいしい水研究事業〔環境課〕

⑦ 豊丘浄化センター ストックマネジメント計画策定事業(2ヵ年)

〔環境課〕

⑧ ごみ減量化事業〔環境課〕

⑨ 太陽光・蓄電システム設置補助〔環境課〕



(6)住民活動を支える行政運営

① リニア中央新幹線建設対策〔総務課〕

② 役場庁舎施設改修(1階事務室照明LED化、空調改修)〔総務課〕

③ 第6次総合振興計画(令和5~14年度)策定に向けた住民意識調査の実施〔総務課〕

④ 特定目的基金の見直し〔総務課〕

⑤ 新投票所体制での選挙(参議院議員補欠選挙、衆議院議員選挙)の円滑な実施〔議会事務局〕



(7)豊丘村総合戦略「未来とよおか創生プラン(第2期)」の取組み

「未来とよおか創生プラン(第2期)」(令和2~6年度)の推進〔全庁〕



(8)新型コロナウイルス感染症対策事業

① 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した住民生活支援、事業者支援、「新しい生活様式」に対応するための施設改修・備品購入等〔全庁〕

② 新型コロナウイルスワクチン接種事業〔健康福祉課〕



 以上、総花的な羅列ではありますが、予算編成の骨格を申し上げました。



 さて、本日私から提案いたします案件は、条例案件7件、予算案件14件、同意案件15件、一般案件3件であります。

 条例案件では、営農支援センター及び観光拠点施設の設置条例の新設、ゲストハウスの管理運営方法を変更するための設置条例の全部改正、令和3年度から5年度までの第8期介護保険事業計画に基づき、介護保険料の改定を行うための条例改正などを上程いたします。また、副村長と教育長の任期満了に伴う再任、また、監査委員の任期満了に伴う新たな監査委員の選任同意をお願いしたいため、その関係の議案を上程させていただきました。議員の皆様、全員の同意をお願いいたします。

 令和2年度一般会計補正予算では、現時点での歳出過不足見込み額の追加や減額、また、ふるさと納税の歳入見込み額追加や、そのことに伴う返礼品予算の追加などを補正予算として計上しました。また、今後の財政運営に配慮し、地方債残高のうち交付税措置のない部分は、基金で確保できていることが好ましいため、減債基金へ1億5,000万円を積み増しするよう計上させていただきました。

令和3年度豊丘村の当初予算における重点事業の内容は、先ほど述べたとおりであります。第5次豊丘村総合振興計画をベースとした着実な村政の推進、また、新型コロナウイルス感染症対策に対応するための事業費を計上し、一般会計は前年度比2%増の、総額46億5,300万円の当初予算としました。

 上程案件については、以上概要を申し上げましたが、詳細につきましては、副村長・担当課長よりご説明申し上げますので、ご審議、ご決定賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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