本日ここにリニア中央新幹線伊那山地トンネル新設工事の戸中、壬生沢工区の安全祈願式に当りまして、施主であられます東海旅客鉄道株式会社、施工主体となられます飛島建設株式会社、並びに株式会社市川工務店様に一言お祝いの言葉を申し上げます。

　思い返せば平成２３年５月に正式発表された、リニア中央新幹線の赤石山脈中南部を経由地とするＣルートに国の整備計画がまとめられることが決定されたことで、飯田・下伊那地域が正に約1300年前に東山道が開通して以来の、この千載一遇のチャンスを生かすべく、地域発展の為に豊丘村長として働く覚悟を決意したことが思い出されます。
　
　それから約１０年の歳月が流れようやく今日の安全祈願式にたどり着くことが出来ました。ここまでの１０年間も地元の皆様の御協力をいただく為に行政として住民の皆様とＪＲ東海との調整の間に立ちながら計画の進捗を図るために共に尽力をしてまいりました。

　南信州広域連合でも2050年までにはこの地域を日本で一番魅力ある地域とするためにリニアバレー構想に基づき地域活性化の具体像を描く準備を各地区で始めたところです。

　先週の静岡県知事選挙ではリニア建設を巡っての利害の対立から、建設に難色を示す現職知事への選挙対応が、政府与党の候補者対そもそもリニア建設に疑問を呈する政治勢力を中心とした野党連合との一騎打ちになってしまいました。結果はご存知の通りですがリニア建設が出口の見えない政争の具とならないことを祈るばかりです。

　リニア開業、三遠南信道の開通と凄まじい可能性を秘めた飯田・下伊那地域の発展の要ともなる、このリニア中央新幹線の建設に携わっていただく飛島建設株式会社、株式会社市川工務店の関係の皆様には、工事が安全に順調に進捗することを衷心よりお祈り申し上げます。

　結びに、この事業を決断していただいた東海旅客鉄道株式会社の皆様、地域の皆様、そして本日ご臨席のすべての皆様のご健勝、ご多幸、さらには早期完成を祈念いたしまして、祝辞とさせていただきます。



令和３年６月２４日　豊丘村長　下平喜隆